日本で北欧インテリアが注目されるようになって久しいですが、なぜシンプルなのに温かみを感じるのでしょうか?
無機質なようで、心温まる空間演出が北欧インテリアの魅力。
北欧インテリアを意識した時、ついデザインや色、柄に目が行きがちになりますが、実は照明が大きなカギになります。
照明に少しこだわるだけで、グッとお部屋の雰囲気が変わりますよ!
北欧の照明がステキな理由
(出典:delightfull.eu)
北欧の人々にとって、家の中はとても大切な空間です。
長く厳しい冬を乗り越えるには、居心地の良い住環境が必要不可欠。
必然的に家の中で過ごす時間が多くなるため、快適な空間をつくるべく、ステキな北欧デザインの家具などが生まれたのでしょう。
家の中を居心地の良い場所にするために、北欧の人々が大切にしているのが照明なのです。
日照時間の短い冬が長いからこそ、昔から光がとても大切にされてきました。
日本の屋内の照明が白い蛍光灯が多いのに対して、北欧の照明はやや黄色みがかったやわらかく温かみのある色合いが多いことにも気づきます。
光が貴重だったために、北欧の人々がつくる照明器具には、長く暗い冬を快適に過ごす知恵が詰まっていて、よく計算された光の美しさや機能性の高さが備わっているのも特徴。
北欧の照明はココが違う!
北欧のインテリアに不可欠な照明。違いは一体何なのでしょうか?
その違いは、照明器具のおしゃれなデザインだけではありません。
照らし方のポイントや、効果など、日本の照明と大きく違う点がいくつかあります。
間接照明が「温かみ」のカギ!
(出典:snowontheoaks.com)
北欧での暮らしに欠かせない、温かみのある空間をつくり出すのが「間接照明」。
間接照明を取り入れることで空間に立体感が生まれ、お部屋のレイアウトやインテリアが引き立ちます。
空間をおしゃれに演出するには、配置も大切。
一つの場所にまとめて置くのではなく、高低差をつけることで家具やお部屋の装飾が立体的に照らされ、部屋全体がやわらかい雰囲気に。
間接照明にはリラックス効果も期待でき、光の量を調整することで体のリズムも整えやすくなるというメリットもあります。
暖色系のライトをプラス!
(出典:theunbusyhome.com)
間接照明のライトを暖色系にするだけで、お部屋の雰囲気がやわらかく温かみのある空間に変わります。
光の色には「色温度」と呼ばれるものがあり、部屋の印象を大きく左右する要素に。
黄色みがかった色や、オレンジ色のような暖色系には、リラックスできる空間をつくることに向いています。
北欧のインテリアでも定番のウッディな壁でも、コンクリート打ちっぱなしの壁でも、暖色系の間接照明を取り入れることで、蛍光灯では無機質な雰囲気だったのがたちまち温かみのある部屋に早変わりします。
キャンドルの灯りも効果的!
(出典:myscandinavianhome.com)
キャンドルも、北欧の暮らしに欠かせない照明の一つ。
炎の光のやわらかさ、暖かさは、電球ではつくり出せないものです。
キャンドルそのままでも雰囲気が変わりますが、おしゃれなデザインのキャンドルホルダーを使うだけでも、またいつもと違った雰囲気を楽しめます。
ホルダーのデザインはもちろん、カラーも合わせてその日の気分で変えてみるのもおすすめです。
照明の複数使いもポイント!
(出典:amazingarchitecture.com)
北欧では、いくつかの間接照明を組み合わせるのも、心地良い空間を演出するためによく使われるテクニックです。
お気に入りの家具を照らす照明を置いたり、部屋全体を明るくするために照明を増やしたり、必要な場所に必要なライトを置くのが北欧風。
異なるタイプの照明を組み合わせることで、他にはない自分だけの居心地の良い空間をつくることができます。
影があるから光が引き立つ!
(出典:modernliving.jp)
北欧では、日没前後に空がオレンジから息を呑むような美しさのブルーに変わる「ブルーアワー」という時間があります。
日が少しずつ落ちていくのに合わせて、北欧の人々は一つずつ家の灯りを灯していきます。空間全てを明るく灯すのではなく、大切な光を生活の中で慈しむように楽しんでいきます。
灯りを点けていくごとに影が生まれ、影と光のコントラストも北欧らしい空間演出の一つ。
照明で天井を照らせば、天井が高くなる視覚効果があり、壁を照らせば広さを感じることができます。
スポット型のフロアランプでスタイリッシュに!
(出典:lightvault.com.sg)
カウンターのあるキッチンや、ディスプレイコーナーには、スポット型のフロアランプがおすすめ。
狭い範囲にフォーカスして光を当てることができ、角度も調整できるので、照らしたい場所だけを照らすことができます。
スポットライトが複数並んでいるだけでもスタイリッシュな雰囲気になり、食事をする場所ならまるでお店のような空間に変わります。シーリングライトにはできない、スタイリッシュな空間を演出してくれます。
北欧で人気の照明は?
(出典:delightfull.eu)
北欧の生活の知恵から生まれた人気の照明器具にはどんなものがあるのでしょう?
リビングにはくつろぎ効果を、ダイニングには食事をより楽しめるもの、寝室はリラックスできる心地良さを追求したいもの。
デンマークを代表する間接照明の名品揃いのLE KLINT(レクリント)
(出典:leklint.com)
1943年に、デンマークの建築家である、P.V.イエンセン・クリントによって設立されたLE KLINT(レクリント)のルーツは、彼が趣味の延長でつくったランプシェードにあります。
オイルランプの眩しさを和らげるために羊皮紙を使い、規則的に織ったシェードはとても美しく、しかも機能的であるとたちまち評判に。
特殊なプラスティックペーパーを丁寧な手作業で折ってつくる間接照明のシェードは、繊細な美しさを持ち、北欧の長い冬を過ごす家の中に幻想的な温もりを与えてくれます。
フィンランドが誇る巨匠アルヴァ・アアルトが生んだペンダントライト「Beehive(ビーハイヴ)」
(出典:hivemodern.com)
フィンランドデザインと言えば、建築家の巨匠アルヴァ・アアルトを無視することはできません。
彼の代表作の一つである、蜂の巣からインスピレーションを受けて生まれた「Beehive(ビーハイヴ)」は、誕生以来世界中で愛されているペンダントライトです。
真鍮のリングが重なり、等間隔に開けられた隙間からこぼれるやわらかい光が、独特な陰影をつくり出します。
食卓に家庭らしい温もりを演出する「Louis Poulsen(ルイスポールセン)」
(出典:lumens.com)
Louis Poulsen(ルイスポールセン)は、“光をかたちづくる”というデザイン手法をコンセプトにしているデンマークの照明ブランドです。
1874年の創業以来、シンプルながら機能的な照明器具をつくり続けています。
特に有名なのがPH5シリーズ。
目を引くデザインはもちろん、豊富なカラーバリエーションで、どんなインテリアにも合わせやすく人気があります。
光を分散するデザインによって、眩しさを感じずに十分明るく、食卓のお料理もより一層おいしそうに見せてくれます。
まとめ
照明の効果や照らし方のポイントを少し意識するだけで、今までの北欧インテリアとはひと味違う生活空間を演出できます。
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