冬になって寒くなるとなんだかやる気が出ない、気分が落ち込む……という経験をした人は多いでしょう。
冬の間にうつのような症状が出ることを雪国うつ(ウインター・ブルー、冬季うつ)と呼びます。
北欧でも冬の間は日照時間が短くなるので、うつになる人が多いとされています。
寒くなるとうつ病になる?雪国うつとは
雪国うつとは、雪国で暮らしていることが原因でうつになることを指します。
なぜ、雪国で暮らすことでうつになってしまうケースがあるのでしょうか。
その原因は日照時間にあるとされています。
日照時間が短いと、太陽の光を浴びる時間も短くなり、セロトニンが減ってうつになりやすくなると言われています。
雪国でなくても、冬の間日照時間が減ることでうつ状態になることを、冬季うつと呼びます。
雪国うつになると、どのような症状が出るのでしょうか。一般的なうつと雪国うつの症状を比較してみました。
- 共通の症状:気分の落ち込み
- 一般的なうつ:不眠、食欲低下
- 雪国うつ:仮眠、過食(甘いものがほしくなる)
「たくさん寝ているから、食べすぎているからうつではない」と決めつけずに、気分の落ち込みや仮眠、過食の症状が出たら早めの対策を検討してみましょう。
日本での雪国うつ
雪国、つまり緯度の高い地域では、日照時間が短い傾向にあります。
12月〜2月の間、日本における日照時間の平均は407.5時間です。
日本国内で雪の多い地域である青森県、秋田県、山形県、新潟県の日照時間は、以下のようになっています。
・青森県:173.9時間
・秋田県:148.5時間
・山形県:174.2時間
・新潟県:195.5時間
全国平均の407.5時間に比べると、日照時間が半分以下になっています。
平成28年時点の日本の自殺率平均は17.3人でした。
同年の雪国4県での自殺率平均は、以下のようになっています。
・青森県:20.8人
・秋田県:25.2人
・山形県:20.4人
・新潟県:23.5人
自殺やうつの原因は多岐にわたるので一概には言えませんが、日本全国の平均17.3人であるのに対し、雪国4県の自殺率平均は20人を超えています。
北欧はうつになる人が多いって本当?
北欧の国々は緯度が高く、雪の多い地域です。
北海道の緯度が45.33であるのに対し、フィンランドは北緯60度以上、スウェーデンは55〜70度です。
夏の間は白夜の影響もあり日照時間が長くなりますが、冬の間は日の出が遅く日の入りが早くなるため、日照時間は短いです。
スウェーデンも日照時間は6時間程度で、日本の北国に比べてフィンランドやスウェーデンなど北欧のほうが日照時間が短いです。
フィンランドでは、年間7%がうつ病と診断され、40万人以上が抗うつ剤を服用しているというデータがあります。(参照:yle)
原因は、日照時間の減少による季節性のものだとされています。
北欧のうつ対策
北欧では、どのようなうつ対策がとられているのでしょうか。
一般的なものを4つ紹介します。
ライトセラピー
ライトセラピーは光療法とも呼ばれ、人工的な光を浴びてうつ状態を軽減する手法です。
一般的な照明よりも明るさの強い、光療法専用ライトで光を浴びます。
「人工的な光でも効果があるの?」と思うかもしれませんが、日の光のように明るいライトを浴びることで、概日リズムや睡眠サイクルを整える効果があるとされているのです。
自然の光を浴びたい場合は、カーテンを開けて寝るなどして、少ない日照時間でもめいっぱい太陽の光を浴びるよう工夫します。
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ビタミンDを摂る
日照時間が少ないと、体内で生成されるビタミンDの量が減ってしまいます。
ビタミンDはセロトニンの分泌を促進する作用があるとされているので、雪国うつ対策としてサプリメントや食事などでビタミンDを摂ることが推奨されています。
フィンランドでは、ビタミンDのサプリメントがスーパーなどで市販されているので、冬のフィンランドに長期滞在する場合は役に立つかもしれません。
スポーツをする
北欧では、冬の間ウィンタースポーツを楽しむ人が多く見受けられます。
太陽が出ている時間帯に積極的に外へ出れば、その分日の光を浴びることができます。
体を動かすと気分もリフレッシュするので、冬の北欧に長期滞在していて気分の落ち込みを感じた時は、ウィンタースポーツを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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日本でできる雪国うつ・冬季うつ対策
日本の生活では、どのように雪国うつや冬季うつ対策をすればいいのでしょうか。
一般的な方法を3つ紹介します。
朝起きたらカーテンを開ける
朝は気温が低いので、外へ出たり窓を開けたりするのは抵抗があるという人も多いでしょう。
そんな場合は、カーテンを開けて日の光を浴びてみましょう。
気分がリフレッシュするとともに、体内のビタミンDを増やす効果も期待できます。
規則正しい生活をする
生活が不規則になると、自律神経が乱れやすくなってしまいます。
冬季うつになると仮眠になりやすい傾向がありますが、なるべく生活リズムを崩さないように心がけるのがおすすめです。
適度に有酸素運動をする
寒いと動きたくなくて、ついひきこもってしまいがちですよね。
室内でできる運動でもいいので、できるだけ体を動かすのがおすすめです。
特に、有酸素運動はセロトニンが分泌されやすくなると言われているのでおすすめです。
<有酸素運動の例>
・ウォーキング
・ランニング
・ダンス、エアロビ
・サイクリング
リモートワークなので日中はなかなか外に出られない、という人も多いでしょう。
休憩時間などを利用して、日が出ているうちに散歩したりして外に出てみることをおすすめします。
ビタミンDやトリプトファンを積極的に摂る
冬季うつ対策として摂っておきたい栄養素は、ビタミンDとトリプトファンです。
ビタミンDもトリプトファンも、セロトニンを増やすのに効果的と言われている栄養素です。
食事やサプリメントで、意識して摂るようにしてみましょう。
<ビタミンDが多く含まれている食べ物>
・魚介(さんま、かれい、鮭、ぶりなど)
・卵
・きのこ類
<トリプトファンが多く含まれている食べ物>
・大豆製品(豆腐、味噌、きなこなど)
・乳製品(チーズ、ヨーグルトなど)
・レバー
・豆類(ごま、カシューナッツなど)
まとめ
日照時間が短くなる冬の季節は、体内のビタミンDやセロトニンが減り、うつになりやすいと言われています。
日本の雪国や北欧でも、日照時間の減少によるうつが多いとされています。
冬の間も明るく快適に過ごすために、なるべく太陽の光を浴びたり、適度な運動を取り入れたりして気分をリフレッシュしましょう。
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