旅に欠かせないのが、その土地のグルメを堪能すること。
その土地ならではの文化や歴史、気候の中で生み出されてきた料理を味わうのは、旅の醍醐味と言っても過言ではありません。
北欧にも、海の幸や山の幸を使った美味しい料理がたくさんあります!
今回は、北欧スウェーデンの料理について解説します。
ポイント
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スウェーデン料理の特徴 よく使われる食材や味付け
スウェーデン含む北欧では厳しい冬の寒さが長く続きます。
そのためスウェーデンでは、食材の保存法が歴史的に発達してきました。
代表的なものは肉や魚の燻製、魚の酢漬け、乾燥キノコ、リンゴンベリー(コケモモ)のジャムなどです。
肉は豚肉や牛肉が多いですが、ラップランド地方にはトナカイの肉を使った伝統料理もあります。
魚はニシンやサーモンが一般的。
その他マス、タラ、サバなどがよく使われています。
8〜9月の期間限定でザリガニ漁が解禁になるので、その時期はザリガニパーティが開かれます。
スウェーデンで食べられる料理には、海や山の食材を塩胡椒でシンプルに味付けし、素材の味を活かしたやさしい味わいのものが多いです。
塩胡椒のほかオールスパイスやケイパー、酢漬けのビーツなども味付けに使われます。
付け合わせにはパンや茹でたジャガイモを添えるのが一般的。
特にジャガイモは、日本におけるお米と同じくらい、スウェーデンにおいて主食と言っても過言ではありません。
厳しい土地でもよく育ち、栄養価の高いジャガイモは、「土の洋ナシ」とも呼ばれ、スウェーデンで重宝されてきました。
次の章からは、そんなスウェーデンならではの食材を用いた伝統料理を紹介していきます。
一度は食べたい!スウェーデンの有名な伝統料理5選
ここからは、スウェーデンの定番料理から、いっぷう変わった料理まで、有名な伝統料理を5つご紹介します。
日本でもスウェーデン料理を目にする機会が増えましたので、料理名を聞いたことがある、というものもあるかもしれません。
Köttbullar(ショットブラール)「IKEAのミートボール」で有名な味
「ショットブラール」と発音される、スウェーデンの伝統料理。
IKEAのレストランで食べられることから、日本でも有名な定番メニューとなっています。
ショットブラールは伝統的な家庭料理で、味付けは各家庭によって少しずつ異なるようです。
学校給食で出されることもあり、もはや国民食のような位置づけ。
ココがポイント
オールスパイスで味付けした少しピリ辛のミートボールに、グレービーソースやコケモモのジャムをかけ、マッシュポテトと一緒に食すのが一般的です。
Kroppkakor(クロップカーコル)スウェーデン南部の団子料理
Kroppkakor(クロップカーコル)は、主にスウェーデン南部で食べられる団子料理です。
中の具は塩漬けの豚ひき肉やベーコンを玉ねぎと合わせ、オールスパイスで味付けしたもの。
その具をジャガイモと小麦をまぜた生地にくるんで茹で、モチモチとした食感に仕上げます。
見た目はまるで肉まん。
コケモモのジャムと一緒にいただくことが多いですが、ジャムのほか、溶かしバターやホイップしていない生クリームをかけて食べることもあります。
Biff à la Lindström(ビッフ ア ラ リンドストローム)ビーツ入りハンバーグ
Biff à la Lindström(ビッフ ア ラ リンドストローム)とは、牛ひき肉のハンバーグのこと。
日本のハンバーグと違うのは、具の中にケイパーと酢漬けのレッドビーツが入っているところです。
こちらも家庭によって味付けが微妙に異なり、アンチョビやマスタード、ピクルスを入れるケースもあります。
ハンバーグにしっかりと味がついていますのでソースはかけず、茹でたジャガイモと一緒にいただきます。
ビッフ ア ラ リンドストロームの名前の由来については諸説あります。
一番有力な説としては、ロシア生まれのスウェーデン人ヘンリック・リンドストローム中尉が由来となっている、というもの。
リンドストローム中尉がスウェーデン南東の都市カルマルに滞在した際、ロシア風の料理が食べたくなって厨房に注文したのが始まりと言われています。
Janssons frestelse(ヤンソンの誘惑)クリーミーなグラタン
「ヤンソンの誘惑」というユニークなネーミングのJanssons frestelse(ヤンソンス フレステルセ)。
料理法はシンプルで、茹でたジャガイモと、炒めた玉ねぎ、アンチョビを交互に重ね、クリームを注ぎます。表面にチーズとパン粉を散らしてオーブンで焼いて完成です。
名前の由来はこちらも諸説ありますが、一番有名なのは19世紀の宗教家、エリック・ヤンソン氏からつけられたというもの。
ヤンソン氏は菜食主義者で、肉や魚を口にしませんでしたが、ある日このクリーミーなグラタンを見つけて、どうしても誘惑に勝てず食べてしまった、というお話です。
料理法が簡単なので、「パーティのあとの残り物で作れる料理」として一般的になっていった「ヤンソンの誘惑」。
surströmming(シュールストレミング)世界最臭!?はたしてそのお味は
「世界で最も臭い」と名高いsurströmming(シュールストレミング)。
シュールストレミングは塩漬けのニシンを発酵させた食べ物で、缶詰として販売されています。
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世界一臭い発酵食品?「シュールストレミング」の臭い理由や食べ方とは
健康に良いことで、近年世界でも注目されている発酵食品。日本にも味噌や納豆など、さまざまな発酵食品があり、世界ではチーズやヨーグルトなどがよく知られています。中でも、世界一臭いと言われる発酵食品が北欧にあるのをご存じでしょうか?今回は強烈な臭いと味で有名なシュールストレミングについて紹介します。
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シュールストレミングは北スウェーデンの伝統的な食べ物。
春頃に獲れたニシンを発酵させ、食べごろになるのが8月半ばで、そのちょうど食べごろの時期に解禁日が設定されています。
毎年8月に訪れる解禁日以降にパーティを開き、その年のシュールストレミングを食べる、というのが北スウェーデンの習わし。
ちなみに、南スウェーデンではシュールストレミングを食べることはほとんどないそうです。
食べ方には注意が必要です。缶詰には「屋外で開封すること」と注意書きが記載されています。
それは発酵が進んでおり、開けた瞬間に汁が噴出することがあるからです。
開封後はアクアヴィットというお酒(ウォッカでも可)にくぐらせて洗うと、臭みが取れるのだとか。気になるお味ですが、特徴的なのは強い塩気。
サワークリームや玉ねぎなどと一緒にパンやクラッカーの上に載せ、オープンサンドのようにして食べるのが一般的です。
味よりもまず強烈な臭いが話題にあがることの多い一品ですが、まずいのか、はたまた美味しいのか、真相は実際に食べた人にのみ分かるものかもしれません。
まとめ
一見、シンプルな料理が多いように見えますが、人名が由来となっていたり、加工法が独特だったり、ロシアにルーツを持っていたりと、ユニークな特色を持つスウェーデン料理。
上記にご紹介した料理のように、塩漬けや酢漬けなど、保存の利く加工をほどこされた食材が多く使われています。
素朴でやさしい味わいの料理が多いので、全体的に日本人にも親しみやすい味と言えるでしょう。
スウェーデン現地では、レストランやカフェなど、いたるところで伝統料理を味わうことができます。いろんなお店で食べ比べをしてみるのも楽しいですね。
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