12月になると、日本でも街の景色はクリスマスの雰囲気に包まれます。
多くの人が、クリスマスツリーを自宅に飾ったり、プレゼント交換をしたり、クリスマスパーティーを開いたりと、とても楽しい季節ですね。
そもそも、いつからクリスマスの準備をして、クリスマスツリーを飾ればよいのでしょうか?
なぜクリスマスツリーを飾るの?
イエス・キリストの降誕祭であるクリスマス。
いったいなぜクリスマスツリーを飾るようになったのでしょうか。
クリスマスツリーを飾る習慣の始まりについては諸説ありますが、北欧をはじめとしたヨーロッパでは、キリストが生まれる前からクリスマスのルーツとなる祭りがあったと言われています。
キリストが生まれたとされるベツレヘムは比較的温暖な地域ですが、ヨーロッパの冬は厳しい寒さに包まれます。
厳しい寒さのなかでも、緑の葉を茂らせている常緑樹は絶えることのない命の象徴として捉えられ、特別な存在とされていました。
中世のドイツでは、もみの木に小人がいると信じられていたと言います。
もみの木に食べ物や花を飾ると小人がやってきて、人間に力を与えてくれるという常緑樹信仰が、クリスマスツリーのルーツになったようです。
また、クリスマスツリーを飾る文化の発祥としては、ラトビアとエストニアが名乗りを上げています。
ラトビアでは1510年に、エストニアでは1441年に世界で初めてクリスマスツリーを飾ったとされているものの、正確な起源は未だに不明確です。
いずれにしても、温かいベツレヘムではなく、寒いヨーロッパでクリスマスツリーの文化が生まれたようです。
クリスマスツリーはいつ飾る?
キリスト教では、12月25日の4週間前の日曜日から12月24日のクリスマスイブまでを、キリストが降臨するまでの準備期間としています。
この時期をアドベント期間と呼び、現在も子供たちはクリスマスまでのカウントダウンをアドベントカレンダーとともに楽しみます。
クリスマスツリーを飾るのも、このアドベント期間からが一般的。
アドベントカレンダーと合わせて、ツリーの飾りつけが始められる、楽しい時期です。
クリスマスツリーは25日を過ぎるとすぐに片づけてしまうイメージがありますが、実際にヨーロッパでは1月6日まで飾るのが一般的です。
この日は、東方の三博士がイエス・キリストの誕生を祝ったとされる日で、公現祭(十二夜)と呼ばれる大切な日なのです。
クリスマスツリーの種類
クリスマスツリーと一言で言っても、その土地によって違いがあります。
欧米風
欧米のクリスマスツリーは、カラフルで楽しい雰囲気が特徴です。
しかし、欧米と言っても、国によって違いがあります。
国によって変わるクリスマスツリーの特徴をご紹介します。
ドイツ
伝統的なドイツのクリスマスツリーには、本物のキャンドルで灯りをともします。
この習慣は、16世紀にプロテスタント改革者のマルティン・ルターによって始められたもので、部屋の中で星空のクリスマスイブを再現したものです。
オーストラリア
ご存じの通り、南半球にあるオーストラリアのクリスマスは真夏の時期になります。
オーストラリアではもみの木のような常緑樹は一般的ではなく、日本のようにプラスチック製のクリスマスツリーが飾られます。
また、オーストラリアならではのクリスマスの飾りが、クリスマスブッシュの花束です。
オーストラリア固有の植物で、夏になるとクリーム色の花があざやかな赤色に変わります。
アメリカ
アメリカのクリスマスツリーは、とにかくカラフルで派手なのが特徴です。
木はフレーザー・ファーという種類のもみの木が主流で、生木を使うのが一般的。
枝がしっかりしていてオーナメントをぶら下げやすいので、葉が見えなくなるほどぎっしりとオーナメントが飾られるのもめずらしくありません。
北欧風
北欧風のクリスマスツリーは、欧米風に比べてシンプルで素朴な雰囲気があります。
素材の質感を活かしたデザインのものが多く、原色を使うことがあまりありません。
深みのある赤や緑、黄色など落ち着いた色を取り入れ、シルバーやゴールドできらびやかな雰囲気を演出します。
厳しい寒さが続く北欧の長い冬では、家の中で過ごす時間が必然的に増えます。
北欧の人々には、居心地のいい快適な環境を整え、心身ともに健やかに過ごす暮らしを追求する「ヒュッゲ」という考えが根づいています。
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そのため、クリスマスツリーも色彩で温かみのある雰囲気を演出するのがポイントとなります。
木が本来持つぬくもりを感じる自然由来のオーナメントや暖色系の電飾などで飾りつけをするのが一般的です。
クリスマスツリーにおすすめの飾りは?
クリスマスツリーの飾りには、素朴なものからゴージャスなものまでさまざまなものがあります。
近年では、オリジナルのオーナメントをつくれるキットも販売されています。
フルーツポマンダー
フルーツポマンダーとは、フルーツにクローブを刺してスパイスの粉をまぶし、乾燥させたアイテムのこと。レモンなどの柑橘系やりんごなどでつくります。
特に人気なのが、香りの良いオレンジ。スパイスはシナモン・オールスパイス・カルダモンなどを使います。
ポマンダーは、ペストが大流行していた中世ヨーロッパで誕生したと言われています。
スパイスの香りの力で、疫病や災難を除けるという、魔除けの意味を込めてつくられていました。
簡単に手づくりできるだけでなく、室内の香りも良くなるのでおすすめです。
ジンジャークッキー
ジンジャークッキーも、クリスマスには欠かせません。ほとんどは手づくりされ、家庭によってレシピが変わります。
すりおろしたしょうがを使う場合や、ジンジャーパウダーを使うなど、しっかりしょうがを効かせてつくるのがポイント。シナモンやナツメグをプラスするのもおすすめです。
しょうがやスパイスを使うことで、フルーツポマンダーと同じように魔除けの力があると考えられています。
モチーフ系オーナメント
モチーフ系オーナメントは、いくつか付けるだけでクリスマスの雰囲気がグッと増します。
クリスマスベルや大きな星・サンタクロース・トナカイ・雪の結晶など、かわいいものがたくさんあるのが魅力。
モチーフによっては、さまざまな意味が込められているものもあります。
リボンには魔除け、松ぼっくりやりんごには収穫の願いが込められています。
モチーフによって華やかにも楽しい雰囲気にもなるので、好みのものを見つけてみましょう。
ボール
クリスマスオーナメントの定番と言えば、ボール。
きらびやかでカラフルなものなど、幅広いカラーやデザインがあり、いろいろな組み合わせを楽しめます。プラスチック製が一般的ですが、ガラス製もおすすめです。
幻想的な雰囲気やゴージャスなテイストを楽しめます。
ライト
きらびやかな雰囲気を演出するのに、ライトも欠かせないアイテムのひとつ。
ライトをともすだけで、クリスマスムードが増し、部屋の中が華やかな明るさに包まれます。
コンセントタイプや電池式、ソーラー式など、電源タイプもさまざまです。
ライトの定番カラーは、ゴールドや白が一般的。何色かカラフルに光るものもあります。
暖色系を選べば、ぬくもりを感じる雰囲気に、寒色系は幻想的な雰囲気を演出してくれます。
ライトのモチーフや、点滅パターンもいろいろあるので、好みのものを見つけてみましょう。
まとめ
クリスマスツリーは、眺めているだけで幸せな気分になれるもの。
飾りにも魔除けの意味など、縁起の良いものや幸せに結びつく願いが込められています。
今年のクリスマスは、飾りの意味を思い出しながら、ぜひ飾りつけからクリスマスツリーを楽しんでみてください。
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