人間と同様に大切にされるべき存在であるという動物福祉の考え方のもと、ペットの基本的なニーズを満たす環境作りを重視しているのがスウェーデンの愛護法の特徴です。
実際に世界で初めてペット保険を導入したのもスウェーデンで、ペット保険加入率は世界一と言われています。
今回は、日本と異なるスウェーデンの愛護精神にはどんなものがあるのか、動物を守るための法整備からペットと快適に暮らすための生活様式の構築まで、詳しくご紹介します!
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スウェーデンの動物保護法とは
スウェーデンは日本と比べると、ペット飼育率が低い傾向にあります。
それは、ペットたちが幸せに暮らすための厳しい規則が関係しているようでした。
社会的な接触をする機会を与える必要がある
犬は元々群れで生活する動物です。
ケージに閉じ込めたままにしたり、何時間も家でお留守番をさせてしまったりする飼い主も少なくありません。
仕事や家の事情で仕方のないこともありますが、スウェーデンではペットの社会的な接触を増やすために犬を預けられる幼稚園のような場所や、飼い主同士のネットワークなどを作っています。
また、この法律は馬にも同様の規則があり、群れで過ごす習性を尊重して置き去りにしてはいけないことになっています。
ペットだけでのお留守番は6時間まで
犬は1匹でいることがとても苦手な動物なので、お留守番は大きなストレスになります。
スウェーデンでは、ペットだけでのお留守番の時間は6時間までと決められており、精神面をケアすることも忘れません。
そのため、飼い主たちはペットを飼っている友人同士でネットワークを作ったり、飼い主が不在になる時には預り先にお願いするなど、工夫を凝らしてペットの不安を最小限に抑える方法を取っています。
ケージ飼育は禁止
犬の暮らす環境に配慮しているスウェーデンでは、犬をケージに入れて飼育することは禁止です。
犬を車で移動したい場合にはケージに入れても問題ないようですが、体高によってケージの大きさや入れても良い時間が決まっています。
また、3時間に1回は休憩を取り、6時間に1回は散歩をしてトイレに出さなければなりません。
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ちなみに車内温度は25度以下、冬はマイナス5℃以上にキープする必要があります。
犬の住居スペースは体高に合わせる
犬の快適な生活のため、住居スペースについても厳しい規則があります。
例えば、体高25センチ以下の小型犬で1匹の場合は、6平方メートルの広さが求められます。
室内であれば、2平方メートルの広さが必要です。
その他、室内での飼育の場合は、部屋の大きさに加えて自然光を取り入れるための窓や空気の清浄度も重要です。
アンモニア濃度は最高10ppmと定められており、ブリーダーはこの基準に則って犬が暮らしやすい環境をキープしています。
スウェーデンにはペットショップがないって本当?
スウェーデンには日本のようなペットショップが存在しません。
犬や猫を飼いたい時は、ブリーダーから迎え入れるのが一般的です。
犬はブリーダーから迎え入れる
スウェーデンではブリーダーから迎え入れるまでに、犬種について調べたり、飼いたい犬種の性質を知ることが求められます。
その後、譲り受ける飼い主と相性がいいか、責任感を持っているかを判断してようやくブリーダーから購入する形に入ります。
猫はブリーダーまたはキャットシェルターから
猫も犬と同じく、ブリーダーまたはキャットシェルターから迎え入れます。
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行き場の無くなった猫たちがシェルターに持ち込まれ、体調の管理や予防処置などのケアを受けています。
猫を迎え入れたい方はブリーダーやキャットシェルター、他にも譲渡会や里親募集などで実際に猫を見ることができます。
日本とペットの飼い方の違いは?
スウェーデンでは、ペットにも人間と同じように生活をする権利があると捉えます。
ペットとの共同生活がごく自然に行われていることがスウェーデンの魅力的なところです。
犬も乗車可能な車両がある
日本の公共交通機関には、女性専用車両や障害者の方の専用シートなどが見られるのに対して、スウェーデンは乗り物のドアにペットのマークがついていれば、犬・猫が乗車可能な車両があります。
また、フェリーにもペットを連れてもいい客室やサロンがあります。
「ペット可」物件は存在しない
ペットと住む家に関しても、スウェーデンの人々の考え方は柔軟な姿勢を見せています。
日本ではペットと暮らしたい時「ペット可」の物件を探さなくてはなりません。
しかし、スウェーデンではそもそも「ペット可」という言葉さえ存在しておらず、犬や猫と暮らすのは当然の権利であると考えています。
犬の幼稚園がある?
スウェーデンには、一時的に犬を預かることのできる幼稚園のような場所があります。
犬と暮らすには長時間の触れ合いや散歩、トイレの管理が欠かせません。
シングル世帯では愛犬との長時間の触れ合いや散歩、トイレの管理が難しいと考えられますが、スウェーデンでは飼い主が迎えに来てくれるまで面倒を見てくれる人がいます。
ココがポイント
このような場所以外にも、学生などがアルバイトで散歩を引き受けてくれたり、リタイアした人が犬の面倒を見てくれるようなこともあります。
また、日本では高齢になるとペットを飼いたくても控える人がいますが、スウェーデンの人々は高齢者こそペットとの暮らしは有意義なものであると言います。
飼い主同士でお喋りをしたり、ペットと日常を過ごすことで活動的になれるようです。
よって、スウェーデンの高齢者は年齢でペットを飼うことを諦める人が少ない傾向にあります。
しかし、様々な事情から面倒が見られなくなる可能性もあるので、社会のネットワークを持ったり、日頃からペット仲間と協力するなどして対策を講じているようです。
全ての犬にマイクロチップを装着する
日本でも2022年から、新たに迎え入れる犬や猫へのマイクロチップの装着が義務化されました。
スウェーデンでも、犬にマイクロチップを埋め込んで飼い主のデータや電話番号を登録することが義務付けられています。
データを登録することで迷い犬が飼い主のもとに帰れるようになるメリットがあります。
また、マイクロチップは犬の身分証明書のようなものでペット保険の加入時や獣医に掛かる時に必要になります。
さらに、ヨーロッパでは「ペットパスポート」と呼ばれるものがあり、ペットが旅行や引越しの際に面倒な手続きを省略できるシステムがあります。
このパスポートを発行したい時にもマイクロチップを装着していることが条件になります。
まとめ
今回は、スウェーデンの動物保護法からペットに対する倫理観までご紹介しました。
スウェーデンの保護法は厳しい規則ではありますが、その背景には動物の持つ性質を守り抜くための責任感の強さと、愛護精神の高さがあります。
日本はペット先進国とは程遠い部分もあり、問題も山積みであるのが現状です。
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